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グルカサンダル

執筆者の写真: Bottega di PinocchioBottega di Pinocchio

皆さん、こんにちは!

久しぶりの投稿である今回は、Pezzettinoよりグルカサンダルをご紹介致します。



あまり知られていませんが、イタリアにおいてはもともとサンダル屋と靴屋は全く別の畑だったりします。

サンダルが欲しければサンダル屋に行くなんてことが、つい最近まで行われていたのがイタリアという国です。


「餅は餅屋」なんて言葉がありますが、少なくはなってきたもののそれを地で行く文化がイタリアには未だに残っています。

脱線してしまいますが、私が思うにこの文化があるからこそ品質の証明としての「made in Italy」が成り立つのだと感じています。


とはいえ、現在のイタリアではこうした文化が消えつつあるのも事実で、それに伴い沢山の伝統やそれに基づく技術が失われているのが実情です。


この話を始めると完全に脱線してしまうので、再度サンダルに話を戻しますw

こちらの話題はまた次の機会にゆっくり投稿していきたいと思います。


さて、イタリアではサンダル屋と靴屋が異なる分野と考えられているのは何故だと思いますか?



実はイタリアにおいてサンダルには非常に長い歴史があります。

それこそキリスト教が誕生する以前まで、その歴史は遡ります。


多神教であったエトルリア人の時代(紀元前8世紀から1世紀)における遺跡には、その痕跡を見てとることが出来ます。


靴を作る人が描かれたモチーフがありますが、ここで作られているものがサンダルだと言われてい

ます。


さらにローマ時代における剣闘士が身に着けていたサンダルや、第二のイエスと言われれるアッシジのフランチェスコのサンダルなど、異なる時代においてサンダルがアイコンになっているところからもその歴史の長さを認識することが出来ます。


こうしたこともあって、イタリアにおいては長らくサンダルはサンダル職人に作られ、革靴が登場してからは革靴は革靴職人によって作られてきました。こうした文化はつい最近(今から50年前まで)まで続いていたようです。


サンダルと革靴とは同じ履物とはいえ、技術的に全く異なるものとして認識されてきた背景があります。これはそもそも用いられる用途、求められるフィッティング自体が全く異なるためで、こうした事が尊重されてきた結果、全く異なる畑で生産が行われてきたのです。


つまり歴史的にサンダルにはサンダル作りの技術が確立され、そして発展してきたのがイタリアにおけるサンダル作りの形といえます。



しかし、残念ながら現在はサンダル屋というものはほとんどなくなってしまいました。

というのも、誂え靴とは違い、誂えサンダルへの需要は全くなくなってしまったからです。

おそらくイタリアに来て皆さんが目にするサンダル屋というものは、観光地にある土産物として販売されているようなものではないでしょうか。


需要が少なく、職人も高齢化している誂えサンダルの工房を目にする機会はほとんどないと思います。その多くはすでに廃業しているか、続けていても自宅内でひっそりと昔なじみの顧客に向けてのみ生産しているといったところです。


今回ご紹介するサンダルは、そんな失われつつあるイタリア伝統のサンダル技術を色濃く反映した一品です。


こちらのサンダルの誕生エピソードに興味がある方は、是非去年ブログに投稿した「Gurkha sandal」に目を通して頂ければと思います。仕様や技術についてはこちらでこれでもかというほど詳しく説明していますw


詳しい仕様や技術の紹介は前回の投稿を参考にしてもらうとして、今回はもう少し細かい特徴についてご紹介します。



とても細かいところですが、こんなところにもPezzettinoらしさを取り入れてみました!


こちらのバックル、一つ一つ手作業で加工をしています。


薬剤に漬けこんだり、熱をかけたり、その時々で加工の仕方を意図的に変えています。その為一つとして同じものは存在しません。


Pezzettinoの「一つとして同じものを作らない」という哲学が、実はこんなところにも表れていたりします。



もちろんPezzettinoの代名詞ともいえるスフマトゥーラ(ムラ染め)も健在です!


季節柄、汗や日光の影響を強く受けるサンダルのエイジングは、より一層この色味を特徴的なものへと変化させていきます。


実はこの工房が染色に採用している染料も特殊なものだったりします。

この染料とこのサンダルに用いた革の相性がすこぶる良く、エイジングが進むにつれて何とも言えない雰囲気が表れてきます。


これはただ単に染料の違いだけで出てくる表情ではありません。

Pezzettinoの染色は通常行われる染色方法とは全く異なります。

ここは企業秘密なので詳しく説明は出来ないのですが、簡単に言うならばPezzettinoは染色したアイテムを「完成品」だとは考えていません。


染色したアイテムにその後エイジングが行われていくことで、徐々に手掛けた職人がイメージする「完成品」へと変貌していくのです。


Pezzettinoの染色はエイジングによる変化を念頭に入れた方法で行われています。

その為使用する革、染料、染色の工程など、色々な面で一般的な染色とは異なる視点で選択しているのです。


このエイジングにはきっと皆さん感動するはずです!




現在目下作成中のこちらのサンダルですが、順調にいけば4月下旬から5月初旬には日本にお届け出来る予定です。


また出荷が近くなりましたら、再度こちらのブログからご案内させて頂きます!


それでは、また次回!



















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