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  • 執筆者の写真Bottega di Pinocchio

「三層サンダルは、伊達じゃない!」

分かる人には分かるオタク丸出しで失礼しますw



Pezzettinoが日本に上陸して早6年。。。

一番最初に持ち込んだのはこちらの三層サンダルとベルトでした。

他では絶対に出来ないもの、そしてどんなサンダルよりも美しいものをと何度も試作を繰り返して出来上がった私にとって本当に思い出深いアイテムです。

そもそもプロトタイプ制作に取り掛かるまでに約一年を費やしました。

それは革靴の延長としてのサンダルではなく、サンダルとしてのサンダルにほんの少し革靴のノウハウを入れ込みたいという想いがあったからです。

イタリアでは革靴屋とサンダル屋は明確に分かれており、それぞれ全く違ったノウハウに基づいて作られています。だから我々はそれを尊重して、サンダルの皮を被った革靴を作るのではなく、あくまでもサンダルを作る事を前提にそれこそ様々なサンダル作りの文献に目を通しては試作を重ねていきました。

最終的なベースにたどり着けたのは、結局のところとあるサンダル作りの大御所に出会った事がきっかけでしたが、兎にも角にもこのサンダルのプロトタイプが出来上がる前には本当に沢山の思い出と物語が詰まっています。

これを語り始めると収拾がつかなくなってしまうので、一旦省略します(笑)


さてこの三層サンダルの何が凄いのか。。。

構造について十二分に知っている私ではありますが、そんな製作に携わった私ですらその本当の凄さに気付くのに数年を要しました。。。




画像のサンダルは6年前、初めて正式なプロトタイプとして出来上がった三層サンダルの一足です。

そのプロトタイプをこの6年間自身の愛用品として毎夏かなりの頻度でヘビーユーズしています。

本当に最初期のこちらのモデルはまだソール部分に改良が加えられていないのでほんの少し現行のものよりは修理の取り回しにクセがあるのですが、ベースとなる三層構造は当時から現在に至るまで一切の改良を加えていません。この構造に関しては「完全体」であると自画自賛しており、その後別に2モデルサンダルを送り出していますがその全てにこの構造を採用しています。


このサンダルはとにかく疲れないんです。


見た目は華奢でソールも決して厚すぎないところからも、巷で疲れにくいと言われているソールの分厚さをウリにしているサンダルと比べると何だか心許ない印象を受ける方も多いのではないでしょうか。


しかしこのサンダルのソールはどんな分厚いソールのサンダルよりも複雑に足裏へのダメージを軽減できるよう構築されています。


きっとこの画像のサンダルの足あと(インソールの汗染み)を見て頂ければ中身を見ずとも感じて頂けるはずです。




こちらのサンダルの足あとは私の足裏そのもののコピーです。

アーチや指のカーブ部分など接地の少ない部分には跡が残らず、足裏そのものをしっかりと反映しています。


これの何が凄いのか?


分厚いソールをウリにしているサンダルはあくまでもその分厚い革やスポンジソールが体重によって沈んでいくだけなので、足の形状を支える事が出来ずインソールが形成されていくにつれてインソール表面は均一化されていきます。


インソール化といえば聞こえは良いですが、足そのものを支えるわけではないためアーチは落ちていき、それによりサンダルに残る足あとは足裏全体が扁平化した状態のものになります。つまりアーチや指のカーブなど接地が本来あるべきではない部分でも足あとが残るというわけです。

これはつまり足を支えられていないということであり、これは本来本当の意味でのインソールではありません。


このサンダルが凄いのはこんなにも華奢に見えるのに、足そのものを支えられているというところです。

だから長時間の歩行でもアーチは落ちず扁平足化しないので足が疲れないんです。




構造を知っていればしてやったりの当たり前のことではあるのですが、このインソールに残った足あとを見たとき、そのあまりにはっきりとそれが見て取れることに自分でも流石に驚きました(笑)


実はそんな思い出たっぷりのこの初代三層サンダルも、一旦今年を最後に少しの間生産をお休みをさせて頂きます。


というのもこの構造を採用しているサンダル3モデルは毎年有り難いことに相当な足数を作らせて頂いておりますが、その生産キャパシティーにこの数年限界を感じ始めておりました。

実際、納期が遅れてかなりの期間お待たせしてしまった方、そもそも発注をお受けできなかった方も少なくありませんでした。


まずはこうした問題にしっかりと取り組むためにも、来年は生産モデルを絞り込むことでより効率的な生産を目指しての決断です。


このサンダルを作ることが出来る職人が唯一一人だけということもあり年間に仕上げられる足数にも限界があるということだけでなく、この三層サンダル同様納得できる新しいモデルを企画するのに十分な創作期間を設けるためのつかの間の休憩でもあります。




きっとまた次回こちらの初代三層サンダルを再生産させて頂く時には、その後の2モデルにも劣らない皆さんをあっと言わせるような新モデルと一緒にご紹介させてもらえるよう色々と研究をしていきます!


何だか今年でお休みするという事で皆さんに販促をかけているような内容になってしまいましたが、実は今年の最終受注もすでに締め切りになっております😔

本当は去年の暮からこちらのお休みは決めていたのですが、今年の2月早々から取り組んでいたはずのサンダル生産が思うように進まず、今年も一便目の出荷から納期遅れを発生させてしまったため一時生産休止の案内をするタイミングを逸してしまい、結局販促案内も出来ないままいきなりのご案内になってしまいました。


それでもこの初代三層サンダルに対しては個人的な特別な想いも強く、少しでもこのサンダルについてこうして記述を残しておきたいと思って今回のブログの投稿とさせてもらいました。

つまりは、自分なりの思い出投稿です(笑)


とはいえ、本当に良く出来たサンダルであるということは間違いありません。

本来、携わった者が言うべき事ではないとは思いますが、まさに傑作と言えるそんなサンダルだと自負しています。




こちらの三層サンダル構造を採用している他2モデルと、こちらの初代三層サンダルは福岡の Dresswell さんにてお取り扱い頂いています。

全モデル今年の受注はすでに締め切らせて頂いておりますが、いくつかサイズやカラーによっては在庫が残っているものもあるかもしれないのでもし気になる方は上記リンクよりお問い合わせしてみてください😌


Bottega di Pinocchio

Yuki Takemasa




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