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  • 執筆者の写真Bottega di Pinocchio

はじめに


Bottega di Pinocchio HPを開設しました。


私はイタリア製品に魅せられ数年の準備期間を経た後に渡伊し、イタリア中部を拠点に生産企画という形で活動をスタートしました。その経験や知識、様々な人との繋がりを得て、現在は工房オリジナル製品開発の企画を中心に活動しています。


生産企画というのは様々な形があり一言で表現するのは難しいですが、私の場合ブランド(ショップも含む)⇔生産現場⇔部材メーカーというチャネルの『⇔』間を調整するのが主な仕事です。


より簡単に表現するのであれば、コストと仕様の帳尻を合わせたり、生産ロットと仕入れ部材ロットや単価を最適化することです。ロットや仕様によって生産現場を変えたり、部材の流通経路をデザインしてより単価を抑えたりすることがそれにあたります。


私にとって「人との繋がり」というのは一番の財産であり、もっとも大切な武器です。選択肢の多さがあってこそ、はじめて自分の価値が生まれる仕事、それこそが「生産企画」なのだと考えています。




ここからはBottega di Pinocchioという活動を始めるに至った経緯について、お話させて頂きたいと思います。


こうした生産企画という活動を通して、私は本当に多くの事を学びました。モノ作りというものがどのようにして成り立っているのか、よりシステマティックに捉えられるようになったのはこの経験のおかげだと思います。


しかし多くの作り手と関わるうちに、もう一つ大切なことに気が付きました。製品生産というものが、想像以上に「ジレンマ」を孕んでいるということです。


製品生産というものは常にコストバランスとのせめぎ合いです。コストが予定していたものよりも大きくなった場合、どこかで帳尻を合わせるために「引き算」を行わなければなりません。この「引き算」の理想の形は、ほとんどの場合企画元と作り手側で異なってしまいます。


その過程でいつの間にか出来上がった製品からは、作り手の哲学や技術がそぎ落とされてしまうのです。それは大きく製品そのものの見た目を変えることはないかもしれませんが、その仕様に込められた歴史的な意味やそれによる使用感、耐久性など色々な面で製品そのもののあり方を変えてしまうのです。


こうした事を目の当たりにする中で、「作り手が本当に理想とする製品を作らせたい」と思うようになりました。この想いこそがBottega di Pinocchioをスタートするに至った最大のきっかけです。


ここから現在までの話は長くなってしまいそうなので、今後小出しにしていこうとおもいますが、最後にBottega di Pinocchioで紹介する製品の特長について書いていこうと思います。


ここでご紹介する製品のすべては、その作り手が本当に理想とする内容で作られた製品です。その為一つの製品に語り尽くせないほどの歴史や想いが詰め込まれています。現在では使われることのない技術・仕様など、決して意匠などではなく、その「意味」をしっかりと実現する形で用います。


これは素材に関しても同様です。何故その素材を選択したのか、その一つ一つに作り手がその素材に求めた「意味」が込められているのです。


こうして出来上がった製品には、自ずと職人の色が表れます。決して他では見つけることの出来ない特別な表情の作品になるのです。



私たちは製品の仕様や素材などの詳細を、お取り扱い頂いているお店にお伝えしています。そのため可能であれば、Bottega di Pinocchioの製品は是非お店で実物を手に取って、そして知って頂きたいと考えています。きっとその魅力の虜になっていただけるはずです。

















































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